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あるアイドルグループのいちばん長い日 ~ 小説『20160118』

エマニュエル・ドット氏と佐藤優氏の対談を目当てに文藝春秋2023年1月号を読んでいたところ、興味深い小説があり、このエントリをしたためています。著者は鈴木おさむ氏、タイトルは『20160118』。タイトル通り2016年1月18日に放送された"公開謝罪番組"を題材に執筆された"小説"です。ただしこの小説、現実とリンクしているような錯覚を覚えます。

例えばこの小説を読んだあとにスマスマ (SMAP×SMAP) の公開謝罪番組を改めて視聴すると、番組への感想が大きく変わってしまいました。わたしは番組をリアルタイムで視聴した際には、このグループの中に1対4の対立構造が存在するように感じていました。ところが同じ番組をこの小説を読んだあとに視聴すると、対立構造は存在しなかったように感じてしまいます。それどころか"1"側だと感じていたメンバーの表情からは悲しみすら感じてしまうほどでした。

わたしは特別にあの国民的アイドルグループに思い入れがあったわけではないです。それでもあの公開謝罪番組はとても衝撃的でした。その裏にはどんな出来事があったのか。あくまで小説ではありますが、引き込まれてしまう興味深い作品でした。あの公開謝罪番組に衝撃を受けた人は、6年後の空想的な答え合わせとしても興味深い作品だと思います。個人的には「あのグループの中に対立構造は存在しなかったんじゃないかな」と思えただけでも意味のある作品でした。願わくは今年があの6人にとっても良い1年になりますように。